はじめに
KORG Volca Sample 2を他の機材と同期させたいとき、最初に悩むのが「同期の方法が2つある」ことです。VolcaシリーズにはMIDI端子とSync端子の両方があり、それぞれの役割と制約が異なります。
この記事では、Volca Sample 2を他のMIDI機器と同期させる際のポイントと、実際にハマったところをまとめます。
Sync端子とMIDI端子の違い
Volca Sample 2には同期のための接口が2種類あります。
| 端子 | 形状 | 送れる情報 | スタート/ストップ連動 | 主な接続先 |
|---|---|---|---|---|
| Sync IN/OUT | 3.5mmミニジャック | テンポ(パルス信号)のみ | ✗ できない | Volca同士、Pocket Operator |
| MIDI IN | 5ピン DIN | ノート、CC、クロック、プログラムチェンジ | ✓ できる | 一般的なMIDI機器 |
重要なポイント: Sync端子はテンポ情報(パルス)しか送れません。ノート情報やCCを送るにはMIDIを使う必要があります。また、Sync端子ではスタート/ストップの連動ができません。マスター側でシーケンサーをスタート/ストップしても、Sync接続のVolcaは連動しません。手動でVolca側の再生ボタンを押す必要があります。
どちらを使うべきか
Sync端子を使う場合
- Volca同士をつなぐ: Sync OUT→Sync INを3.5mmケーブルでつなぐだけ。最もシンプル
- テンポ同期だけで十分な場合: Volca側のシーケンサーでパターンを組み、テンポだけ合わせる
- 注意: スタート/ストップは連動しないので、マスターとVolcaの再生開始タイミングは手動で合わせる必要がある
MIDI端子を使う場合
- スタート/ストップを連動させたい: MIDIならマスター側のシーケンサーをスタート/ストップすればVolcaも連動する。Sync端子ではこれができないので、ライブや複数台のセットアップではMIDIの方が運用しやすい
- 外部からノートを送りたい: Syntakt等のMIDIトラックからVolcaのサンプルをトリガーする
- クロック同期 + ノート制御 + トランスポートの全てが必要: MIDIなら1本のケーブルでまかなえる
ハマったポイント
SyncとMIDIを同時に使うと二重クロックになる
Sync INとMIDI INの両方からクロックを受け取ると、テンポが二重になっておかしくなります。MIDIを使うならSyncケーブルは外す、Syncを使うならMIDIケーブルは外す。両方同時につないではいけません。
VolcaのMIDI INは5ピンDIN
Volca Sample 2のMIDI端子は標準の5ピンDINです。デイジーチェーンに組み込む場合、MIDI THRU端子がないため、チェーンの末端に置く必要があります。詳しくは「MIDIデイジーチェーンの落とし穴と対策」をご覧ください。
ノート番号とサンプルのトリガー
Volca Sample 2では、外部からMIDIノートを送ってサンプルをトリガーできます。MIDIチャンネルの設定には2つのモードがあります。
- Multi Channel(デフォルト): 各パートがそれぞれ別のMIDIチャンネルで受信
- Single Channel: 1つのMIDIチャンネル上で、異なるノート番号で各パート(サンプル)をトリガー
SyntaktのMIDIトラックからVolcaのサンプルを個別にトリガーしたい場合は、Single Channelモードに設定し、ノート番号でパートを指定します。具体的なノート番号とサンプルスロットの対応は、KORG公式のMIDIインプリメンテーションチャートを参照してください。
まとめ
Volca Sample 2を他の機材と同期させる際のポイントを整理します。
- SyncとMIDIは排他: 両方同時につなぐと二重クロックになる。どちらか一方を選ぶ
- スタート/ストップ連動が必要ならMIDI一択: Sync端子ではトランスポートが連動しない
- Volca同士ならSync: シンプルにテンポ同期できる。ただしスタートタイミングは手動
- THRUがないのでチェーンの末端に置く: MIDIで接続する場合の制約