はじめに
MIDI機器を接続したとき、「ちゃんと信号が届いているか」「どのCHで送られているか」を確認したくなることがあります。DAWを起動すれば確認できますが、DAWを使わない環境や、そもそもDAWの操作に慣れていない場合はちょっと面倒です。
当サイトのMIDI接続チェッカーは、ブラウザを開くだけでMIDI信号をリアルタイムに確認できるツールです。この記事では、実際に4台の機材を使ったDAWレスセットアップを例に、ツールの使い方を紹介します。
セットアップの詳細は「筆者のDAWレスセットアップ全公開」をご覧ください。
準備
必要なものは2つだけです。
- Chrome(推奨)または Edge:Web MIDI APIに対応しているブラウザ
- MIDI機器をUSBでPCに接続
- DIN MIDIのみの機器はUSB-MIDIインターフェースが必要
Safari / Firefox はWeb MIDI APIに対応していないため、ツールを開くとその旨のメッセージが表示されます。
基本の使い方
1. ツールを開いてMIDIアクセスを許可する
MIDI接続チェッカーを開くと、Chromeが「MIDIデバイスへのアクセスを許可しますか?」と表示します。「許可」を押してください。
2. 接続デバイスを確認する
許可すると、USBで接続されている全MIDIデバイスがリストに表示されます。各デバイスのInput(受信)/ Output(送信)も確認できます。
デバイスが表示されない場合:
- USBケーブルが抜けていないか確認
- 機材の電源が入っているか確認
- DAWなど他のアプリがMIDIポートを占有していないか確認
- Ableton Live等はバックグラウンドでも占有する場合があります
3. ノブやキーを操作してイベントログを見る
機材のキーを叩いたりノブを回すと、イベントログにリアルタイムで表示されます。
| 操作 | ログに表示される内容 |
|---|---|
| 鍵盤を押す | NoteOn + ノート番号 + ベロシティ + CH |
| 鍵盤を離す | NoteOff + ノート番号 + CH |
| ノブを回す | CC + CC番号 + 値 + CH |
ポイント: ログに表示されるCH番号を見れば、その機材がどのCHで送信しているかを一目で確認できます。
4. チャンネルインジケーターを見る
画面上のCH 1〜16のインジケーターが、信号を受信したCHに応じてリアルタイムに光ります。複数台を同時に接続している場合、どのCHがアクティブかを視覚的に把握できます。
実例: 4台のDAWレスセットアップを確認する
筆者のセットアップ(Syntakt / A4 / TD-3 / SP-404mk2)を例に、チェッカーでどのように確認できるかを紹介します。
CH割り当ての確認
各機材のノブやキーを順番に操作して、イベントログのCH番号を見ます。
| 操作 | 期待値 |
|---|---|
| Syntakt のパッドを叩く | トラックに設定したCH |
| TD-3 のキーを押す | CH 1(本体固定の値) |
| A4 のキーを押す | トラックに設定したCH |
| SP-404mk2 のパッドを叩く | 叩いたパッドに対応したCH(本体固定の値) |
期待値と一致していれば、MIDI CHの設定が正しいことが確認できます。
クロック同期の確認
Syntaktのシーケンサーをスタートすると、クロックメッセージが大量に流れます。当ツールではクロックメッセージをフィルタリングし、代わりにBPM値を表示する機能があります。
- Syntaktで BPM 120 に設定 → チェッカーのBPM表示が約120を示せばクロックが正しく届いている
- BPM表示がおかしい場合 → スレーブ側の機材がClock Sendを有効にしていないか確認
BPM表示がぴったり一致しないことがあります。 MIDIクロックは1拍あたり24個のメッセージ間隔からBPMを逆算する仕組みで、アナログ回路を経由する機材ではクロック間隔に微小なジッター(ブレ)が生じます。BPM表示が ±1 程度の範囲で揺れていれば正常です。大きくズレている場合(例: 120設定なのに60や240と表示される)はクロックの二重受信など設定側の問題を疑ってください。
外部機器へのノート送信の確認
SyntaktのMIDIトラックからTD-3やA4にノートを送っている場合、Syntaktのシーケンサーを走らせると:
- TD-3向けのCH(CH 1)でNoteOn/NoteOffがログに流れる
- A4向けのCHでコード(複数ノート同時)がログに流れる
ログに何も出ない場合は、SyntaktのMIDIトラックの送信CHと対象機器のCHが一致しているかを確認してください。
トラブルシューティング
| 症状 | よくある原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| デバイスが表示されない | DAWがポートを占有 | DAWを閉じてブラウザをリロード |
| ログが流れない | MIDI OUTの設定がOFF | 機材側のMIDI送信設定を確認 |
| ログが大量に流れて見づらい | クロックメッセージ | ツールのクロックフィルタをON |
| CHが期待と違う | 設定ミス or Auto Channel | 機材のCH設定を見直す |
| Safariで動かない | Web MIDI API非対応 | Chromeに切り替える |
まとめ
MIDI接続チェッカーでできることをまとめます。
- 接続確認: USBで繋いだMIDIデバイスの一覧表示
- CH確認: ノブやキーを操作して、どのCHで信号が送られているかを確認
- クロック確認: クロックをフィルタリングしつつBPM表示で同期を確認
- トラブル切り分け: 「信号が届いていない」のか「CHが違う」のかをその場で判別
DAWを起動しなくても、ブラウザだけでMIDI信号を可視化できます。セットアップの動作確認やトラブルシューティングにぜひ活用してください。